馬城会瓦版2020 第18号~「相中相高八十年」より 創立期5~

記念誌「相中相高八十年」より  (創立期その5)

 相馬中学校大運動会

 運動会の具体的内容が明らかなものは、1901(明治34)年5月4日に開催されたものが最初である。
 下記によれば、参観人一万人というから、当時の中村町の人口より多く、最も人気のあった行事の一つだったのであろう。
 
 同校にては創立3週年に相当するを以て記念式を行ひ、兼て皇孫御降誕の御慶事を祝さん為め、
去る4日を卜し校庭に於て大運動会を開催したり。
 先ず校の入口には『記念式』なる大額を掲げ、武装の人形兵士之を門守し、大々的緑門を建て、
又会場前にも大額、大緑門、武装の飾り物あり、場の正面には横二間長さ三尺程の白布に『創立記念碑』の5大文字を書したるを壇上高く掲け、西方には『弘法大師の大夜造りのへちま畑』と称してコンボーにて瓢棚を築き翠葉滴らんとする計り。
 尚来賓席上にも藤園に凝して日覆を造り、裏門二ケ所にも同様額面及アーチの用意をなし、会場には各国の国旗を高く掲げ、大達磨の飾物を据ゆる等、其装飾の壮大なるには何れも一驚を喫したる程なり。 
 斯くて午前9時より運動に着手し、棍棒、韓信、旗取、武装、二人三脚、母衣、擬馬源平、片脚、蛙飛、協力、盲目、数字、来賓競争等、其他十数種を演じ、来賓競争には参観のため臨場したる中村高等尋常、八幡尋常校の職員生徒も加わりき。
 最後の優等者駆足競争には4学年生氏家某に勝点を占められ、校長の胴上げ杯ありて、其勝敗を決したる時の如きは快哉を叫んで拍手喝采、恰かも百雷の轟くが如くなりし。
 此日参観人無慮一万人の多きに及び、実に近来無比の大盛会にてありしが、参観人の重なる人々は、部長、判事、検事、林区署長、警部、各高等小学校、各町村長、町会議員、其他知名の紳士等百余名にして、来賓には茶菓及昼餐を饗応せり。
 当日の経費総計は二百余円にて、職員より金弐拾円、其他悉皆寄付金より成れるものなりと。
                              (『福島民報』5月8日)

(6月28日 転記&文責 村山)